2016年2月6日土曜日

2/6 筒井チーム稽古⑤

出席者:楠、浦長瀬、前田、佐々木、藤田

2月に突入です。
さて、本日は照明の山口星さんが稽古を見に来られました。しかし写真を取るのを忘れました、、、また次回にでも。

■チェックイン


2月初回の稽古も恒例チェックインから。
チェックインで何を「さておこう」か、準備する・考えてしまうという人がやはりいるみたいですが、それを準備していいかどうかは深く考えなくていい、という筒井さんは明日からTPAMのために横浜へ。
このチェックインもTPAMの仕事でフィリピンに行った際に知ったものです。

■ピクニック

筒井チーム作品の核の1つであるピクニックというワーク。
山口さんが来ていることもあり、完成に向けて今日も色々試したいとのこと。

今日は、

「俳優がピクニックを自然に舞台上で行う中で発生した、演技を伴ったある出来事や要素に対して、これこそピクニックを実現化させるため必要、と思った時、挙手し舞台面に出て観客にそれが何かを伝え(○○がピクニックです)、何事もなかったように元に戻る」
 

という以前から俳優に与えられているミッションの遂行方法について下記二つを試しました。

①ピクニックの最中に挙手する形では無く、ピクニック終了後にミッションを発表する
ピクニックの最中に挙手する形でかつ、ミッションの内容はピクニック終了後に発表する
※挙手は観客にわかるように+時間は長めに

 

筒井さんは以前と同様、ミッションは、あくまでピクニック空間における個々人の変調としての演技の指摘であり、いわゆるピクニックあるあるでは無い、と念を押します。
あと前回の稽古で配られた紙(これまでのミッションで出た指摘の中で筒井さんが理想的なものとして選んだ一覧が羅列されている)を、1つの台本と思って上演に向けて実行してみましょう、との言葉が。

 

二つを試したあと、違いや感覚について話し合いました。
俳優からは手を上げる方が面白かった、あげそこないもあり気にしてしまうことがある、あげっぱなしになることもある、あげる方が指摘の内容を覚えやすい…など。
あと藤田くんが②の時に終盤ジェンガをピクニックに投入、中々盛り上がりました。
以前同じようなシチュエーションがあり自分だけ何もその場に提供できず置いていかれた感覚を覚え、実際に持っていったことがあるようです。その焦って何かを提供する、ということもピクニック成立のための演技である、と筒井さん。

…結果、ひとまずは②の方向で進める、ということで決定です。終了後並んで下手から発表していき、その時出演者同士のやり取りも若干あっていい、というルールも追加されました。内容も出来るだけバッティングしないようにとのことですが、そうなると上手側が不利になるので、参加者の皆様ご注意を。

続いて、前回稽古で爆笑の渦を巻き起こした演劇的(?)ピクニックも②の方向で試しました。
これは実際に見ていないとわからないものなのですが、やはり笑いが起こりますねー。
ただし、劇的なテンションが終始支配する時間になるため、 ミッションの方に意識が回りにくくなるのか挙手数が少なくなる傾向があります。筒井さんからは、オーソドックスな演劇作品の上演の練習という意識を持って臨むことが必要だね、と指摘がありました。
 


あと演劇的ピクニックの際のミッションの問いの立て方ですが、「ピクニックを演劇として成立させるにはどういうプレゼンテーションがありましたか?」となります。
そして普通のピクニックの際は実際に消えものを使う予定です。
以上、本日お休みの方へのお知らせですので覚えておいてくださいませ。

■限界芸術としてのデモ

続いて筒井さんが取り出したのは、昨年の全体稽古3回目で参考テキストの一つとして紹介した、鶴見俊輔限界芸術論のある一ページ。芸術のレベル(純粋芸術/大衆芸術/限界芸術)と行動の種類が表になっているものなのですが、「演じる」行動の「限界芸術」の中に「デモ」があります。
近年、反原発や反ヘイトスピーチ、反安保法制などの運動によって、デモという行為も随分一般化したように思います。
かくいう私も、東日本大震災後間もない頃に、興味半分で足を運んだ反原発デモが初めてのデモでした。昨年も、列の中には入りませんでしたがSEALDS関西が全面に出ている形に見えたデモを、まるで舞台を見るような感覚で見に行きました。無料やし。
デモについて、この作品でも考えてみたい、と筒井さん。
参加者の中にはデモに参加したことのある人はない模様。デモの定義とは何か?という筒井さんの問いかけに様々な意見が出ますが、一番重要なのは届け出を出しているかどうかということで、内容や人数はあまり関係ないようです。私も初めて知りました。

■デモをやってみる

デモにおいての、プレゼンテーション・演技の方法としてはどういったものがあるか?行進、楽器、プラカード、横断幕、演説…などなど色々ありますが、ひとまず行進とシュプレヒコールの2つを全員の共通の要素としてチョイスしてやってみました。



その後、デモを成立させるためにどのような表現をしましたか?という筒井さんからの問い。
参加者からは声を合わせる、行進のスピードをゆっくりと、手を上げたり抗議の姿勢をわかりやすく、などの声が出ました。デモという行為の検証は今後も行うようで、これも作品の重要な要素の一つになるのかもしれません。全員でやったシュプレヒコールがまた面白かったのですが、ちょっとネタバレが微妙かな、という感じなのでまだ伏せておきます。

■作品タイトル発表!

さて、そろそろ当企画の本チラシが出回り始めます。
少しフライングではありますが、筒井さんから作品タイトルの発表がありました。
『Action and Presentation』
です。
Action…動作、活動、俳優の所作演技など
Presentation…発表、提示、紹介など

今まで行ってきた数々のワークと合わせると、この作品が何を行おうとしているのか、より明確に浮かび上がってくるタイトルなのではないでしょうか。
引き続きご期待ください。三田村でした。

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ところで先日、伊藤チームの出演者・出村さんも出演している映画「ハッピーアワー」、前々から気になっていたこともあり観に行ってきました。
このブログを興味を持って見て頂いている方にとっては必見かもしれません。
「演技」について思考できる・思考の末に作られている作品であることがわかる稀有な作品です。
317分ありますが皆様もお時間許せば是非。

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